旭化成ファーマ株式会社

LAWGUEを用いた契約レビュー効率化事例

INTERVIEWEE

谷川 亜季様

医薬研究センター 研究推進部

製薬メーカーである旭化成ファーマ様では、医薬研究センターでLAWGUEを導入いただき、契約書の作成・レビュー業務の効率化にお役立ていただいています。
医薬品開発においては、法令や契約書の知識はもちろんのこと、医薬品研究開発の実務についても深い知識と経験が必要とされるため、自社独自のノウハウの蓄積と活用が重要なポイントです。LAWGUEを用いた自社独自のノウハウの蓄積とメンバー間での情報共有について、具体的な活用方法の事例を交えてお話しいただきました。

貴社の事業内容を教えてください。

弊社では医療用医薬品や診断薬の製造販売を中心に、様々なヘルスケアビジネスを展開しております。

貴部署の部員数、業務内容を教えてください。

弊社には全社をカバーする法務グループの他、いくつかある事業部にそれぞれ契約担当者を置いています。現在私が所属している医薬研究センターでは、契約担当者数名で契約書の作成・レビュー業務、輸出管理などのコンプライアンス業務を行っています。医薬研究センターにおいて締結する契約書は、法令や契約書の知識だけでなく、医薬品の研究開発の実務についても深い知識と経験を必要とします。そのため、創薬研究の経験のある契約担当者が契約書の作成・レビュー業務を担当しており、リーガル面での判断が必要なときは、法務グループに相談して方針を決定しています。

LAWGUEを知ったきっかけを教えてください。

昨年度、私が契約レビュー業務の効率化を命じられ、リーガルテックの調査を開始したことがきっかけです。検索サイトやまとめサイトの情報から候補となるリーガルテックを洗い出し、資料請求、オンライン面談、デモなどを経て、10種以上のリーガルテックの中から最終的に決定したのがLAWGUEでした。

法務業務においてどのような課題を抱えていましたか?

医薬研究センターで締結する契約書は、件数が多い上に、国内だけでなく海外との協業も増えたことから、年々複雑さも増してきています。
一般的に医薬品は、上市するまでに10年以上かかるとされており、契約書における特許などの知的財産や秘密保持義務に関する条項には、一般的な契約書雛形の文言が通用せず、自社独自の定めや交渉戦略といったノウハウが必要になります。
私は2年前まで医薬研究センターの研究員をしており、法令や契約の知識が全くない状態で弊部に異動になりました。過去の膨大な数の契約書から目的のファイルを探し出して文言を参照したり、数あるノウハウを適切に契約書に反映したり、また定義語や接続詞の表記ゆれ、条項番号の修正・確認に時間がとられ、最初は大変苦労しました。

LAWGUEのトライアル期間ではどのような点を評価されましたか?

LAWGUEのトライアル期間は2週間と限られていたので、チュートリアルプロジェクトの練習を中心に行い、操作性を確認しました。表記ゆれチェックや条項番号の自動修正、過去契約書からの条項検索などを使用して、弊社の契約レビュー業務の効率化に役立ちそうかどうかを評価しました。

LAWGUE導入の決め手となったポイントを教えてください。

LAWGUE導入までは主にWordのみを使用して契約レビューを行ってきました。表記ゆれチェックや条項番号の自動修正、過去契約書からの条項検索は、レビュー時間の短縮に非常に役に立っており、大変ありがたいです。
また弊部の案件では弁護士監修の雛形があまり役に立たないので自社独自のノウハウが蓄積できること、問い合わせ対応がしっかりしていたこと、レビュー時間の短縮に役立つ機能が多かったことから、LAWGUEを選択しました。

導入決定後、社内で運用ルールは決められましたか?(プロジェクトの立て方など)

導入決定後、使用開始までに運用ルールを決定して共有しました。プロジェクト名の付け方や、アクセス権の付け方、ユーザー名の設定の仕方等の統一ルールを作成しました。現在では3つの部署の契約担当者が使用していますが、特に問題なく運用できています。また、御社への要望や問い合わせ情報については、問い合わせ・要望の重複をなくす目的と、ユーザー間で情報共有する目的で、共通のExcel表にとりまとめて、問い合わせ結果も記録するようにしています。

現在どのようにLAWGUEを活用されていますか?

過去に締結した契約書と契約書の雛形については、契約書の種類毎にプロジェクトを作成してまとめ、新規の契約案件については、個別案件ごとにプロジェクトを作成するようにしています。過去の契約書をまとめておくことで、条項検索や類似条項検索を行う際に過去契約のプロジェクトを指定して絞り込めば、効率的に検索することができます。
また、LAWGUEは、自社独自の契約書雛形の作成とそのバージョン管理をするのに適しているので、同じ種類の契約でも目的別、取引先別に多数の雛形を作成し、契約担当者間で随時ブラッシュアップしています。雛形にレビューのノウハウをコメントとして入れることで、契約担当者間のノウハウの共有にも役立っており、新規契約のレビューの際に参照することで、確認・修正漏れも防げるようになりました。

LAWGUE導入効果を、定量的・定性的観点からお聞かせください。

定性的観点としては、過去契約や雛形の参照が容易になり、新任担当者への教育、業務引継ぎやレビューレベルの標準化がしやすくなったと思います。定量的観点としては、契約の種類などによっても変わりますが、リストなどの体裁や条項番号の修正・確認、過去契約書の検索、ノウハウの確認などにかかっていた時間が削減できて、30%程度時間が短縮できたと思います。

LAWGUEの特に役立つ(気に入っている)機能を教えてください。

リスト設定、条項検索、表記ゆれチェック、そして条項番号自動修正機能は、効率化に大変役に立っています。弊社の起案の場合は特に問題ないのですが、取引先起案の契約書の場合、リスト(インデント)の統一や必要な条項の追加(過去の契約書からの引用)を行うことがあり、その際、これらの機能をよく使用しています。
リストやインデントの設定の仕方は慣れるまでに少し時間がかかりましたが、慣れたらWordより簡単に設定できるようになりました。

業務効率の向上により、新しく取り組めるようになったことなどはありますか?

新しく取り組めるようになったことは、LAWGUE上での契約書雛形を更に充実させること、契約対象の研究テーマをより深く理解し研究員とコミュニケーションを取ること、契約レビュー以外のコンプライアンス業務や、研究員への契約の教育などに時間を充てています。

サポート体制についてご意見をお聞かせください。

LAWGUEを導入してからこれまでに数十件もの要望・質問等をお伝えしてきましたが、それに対するご対応がとても速く、助かっております。現在までにその9割近くを反映して下さっていて、迅速かつ柔軟な対応に大変感謝しております。今後とも宜しくお願いいたします。

今後LAWGUEに期待することを教えてください。

英文契約書でも利用可能な機能(条項番号自動修正等)が拡充されていくと良いなと思います。
医薬研究センターではLAWGUEのようなシステムが非常に役に立っているのですが、同じ弊社内でも部署が異なるとそれぞれに締結する契約書の種類やシステムに求めるものが異なっており、なかなか全社で一律に導入というのが難しいと感じています。
全社で基本事項を定めた1つの包括契約を締結し、部署毎に個別の契約を締結して契約内容を変えられることや、英文契約に対する更なる機能の拡充を期待します。

LAWGUEはどのような方におすすめの製品だと思いますか?

新たに契約担当者になった方とその教育担当者、契約書の作成・レビューを効率化・質向上させたい方、そして、契約担当者間のレビューレベルを合わせたい方におすすめの製品だと思います。
過去の契約書の検索や、自社独自の雛形からの起案、雛形を参照しながらのレビューにより、それが簡単にできるようになります。